教育新聞公式サイトに7月9日付で次のような記事が掲載されていました。

SC、SSWの拡充求める 文科省の作業部会が中間報告

文科省の「チームとしての学校・教員の在り方に関する作業部会」(主査・小川正人放送大学教授)は7月3日、それまでに述べられた委員の意見を集約し、座長一任の中間報告としてまとめた。教員の負担を減らそうと、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)などの専門スタッフの配置拡充を図る「チーム学校」の体制構築を法的に位置付けることを検討。年内の答申を目指す。

中略

このほか、学校司書やICT支援員、コミュニティ・スクールを推進するために地域と学校を結ぶ教職員らなどの重要性を明示した。

最終行の「ICT支援員」。聞いたことはあるんですけど、今まであまり気にとめてきませんでした。仮にも情報科の教員として働いている以上、あまり大きな声では言えませんね。

その名のとおり、ICT(Information and Communication Technology)を利用した授業や校務のサポートをするのが仕事です。パソコン本体の設定やソフトウェア使用のサポートから、電子黒板やデジタル教科書の活用支援、授業で使うICT機器の準備、学校ホームページの更新まで、学校内のICT活用に関して幅広いサポートを行います。

現勤務校では、管理人が実質的にICT支援員の役割を担っていますが、電子黒板やデジタル教科書なんて導入されていないし、仮に導入されていたとしても、ここまで手が回りません。

「授業でICT活用」と言うのは簡単ですが、実際にやってみると大変です。

情報機器って、普段から使い慣れているものならともかく、あまり馴染みのない機器や、ましてや初めて使う機器なんて、準備から設定・操作、トラブル対応までをスムーズにこなすのは至難の業。思いのほか時間や労力がかかります。ICTにあまり強くない教員から質問を受けたとき、管理人などは「マニュアル読めよ」と思うことが多いのですが、多忙な教員がマニュアル片手に腰を据えて情報機器と格闘……なんてやってられないという事情も、まあ理解できるのです。

その結果、せっかく学校に真新しい情報機器が導入されても目一杯活用されることなく、陳腐化していく……という現場の実態に、文科省もようやく重い腰を上げたというのが、冒頭で紹介した動きなのでしょうか。

で、このICT支援員ですが、そこそこ難しい試験を受けて取得する、れっきとした資格のようです。

ICT支援員能力認定試験

日本教育情報化振興会公式サイト

日本教育情報化振興会公式サイト

正直なところ、費用もバカになりませんが、教育現場への転職を考えている人で、ICTに興味があれば、こういうところからコネクションを作る手もありかと思います。