40歳目前で一般社会人(サラリーマン・SE)から教員に転職しました。教員免許を持たない男が教育実習も経験せず、高校教師になるまでの道のりです。

教員の現実

民間企業で十数年、教員としても同じく十数年を過ごしてきた管理人が思うところをまとめてみようとして作業中、鋭い考察を展開しているサイトに出会いました。

中学校の先生のホンネ

このサイトの管理人様も私と同様に、一般社会人から教員(中学校)への転職経験をお持ちの方。この方が感じられたという、民間企業と比較しての学校現場の特徴は、次の3点だそうです。

  1. 仕事が「職人芸」で成り立っている
  2. マネジメントがあまりない
  3. 一枚岩になっていない

詳しくは、ぜひこのブログを参照していただきたいのですが、まるで私の言いたいことをすべて代弁してくれているような内容で、読んでいる間、うなずきっぱなしでした。

元をたどれば、組織としてのマネジメントが正しく機能せず、組織でノウハウを共有・継承していくという文化が根付いていないため、「職人芸」に頼って仕事を回さざるを得なくなっているのではないでしょうか。

もっとも、ガチガチに縛られるのが嫌いな私としてはありがたい面もありますが、マネジメントの欠如によって教職員が個々に持てる力を発揮できず、組織としてのパワーが減殺されているのは、困りものです。

さらに……上記3つの問題に、私は2項目を追加させていただきます。

4.コスト意識が希薄

「あったらいいな」程度の案件をガンガン予算要求します。事務室(一般企業でいえば経理)あたりが校内での査定を行うべきだと思うのですが、それはありません。しかも、いざモノが入荷される頃には、要求元では要求したこと自体を忘れています。

ペーパーレスなんて死語……というか、ハナからそういう考え方はないのかも。わずか10分程度の成績会議のために、A3サイズの資料を数百枚印刷します。会議が終われば、そのままシュレッダー行き。プリンターの保守業者があっけにとられるぐらいの大量印刷が日常茶飯事です。

5.IT活用レベルが低い

ズバリ、民間企業に比べて10年遅れています。

一応、グループウェアを導入しているものの、主なコミュニケーションツールは内線電話。ただ、電話をかけても授業で離席のことが多く(だからこそ、グループウェアと導入したのですが……)、報・連・相が円滑に進みません。そうこうするうちに、相手が不在でも電話をかけたことで連絡が終わったように錯覚し、「伝えた」「いや、聞いていない」が発生します。

どうもネガティブな気づきが多いのですが、それでは民間企業に比べて学校が良いと感じたことは?というと、ブログの過去記事「高校教員の『ここがいい!』『ここがイヤ!』」の内容とかぶりますけど、次の2つですね。

1.自己裁量の範囲がわりと広い

  • 自分の専門・得意分野の仕事に力を注げる。
  • 元を正せば個人的な調べものでも、結果的に教科指導に役立つことが多い。
  • 教科指導については、ある程度自己裁量が可能。したがって、やらされている感が少ないし、工夫をどんどん取り入れることができる。
  • 時間の使い方をかなり自分でコントロールできる。

2.仕事のやりがいを感じるシーンが多い

  • 生徒に対する指導でダイレクトに好反応が帰ってきた時、やりがいを感じる。「ここは○○すれば?」「そっかー、わかりました!」って感じ。
  • 生徒や同僚の先生方から頼られていると感じるシーンも多く、自分の存在価値を再確認できる。

数としてはネガティブ項目より少ないのですが、私にとってこの2つの利点は、5つの問題点の溝を埋めてなお余りあるものです。だからこそ、この仕事を続けられるんですけどね。

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