教育委員会から通達が来ました。

「情報セキュリティを確保するため、校務系システムと学習系システムは通信回線を論理的または物理的に分離し、児童生徒側から校務用データが見えないようにすることを徹底すること」

通信回線を論理的または物理的に分離? はぁ?

……と、ここでつまずいてしまいそうです。ICTにそれほど造詣が深くない先生にとっては、物理回線・論理回線と言われても、おそらくピンとこないのではないでしょうか。

物理回線とは、文字どおり「モノ」として目に見える通信回線(=ケーブル)とみなしていいでしょう。

一般的に馴染みが深いと思われるのは、いわゆるLANケーブルというやつですね。昔は「カテ5(カテゴリー5)」などと呼んでいましたが、今はカテゴリー7まであります。両端に透明なコネクターが付いた、淡いブルー(他にも色はいろいろ)のケーブルがパソコンにささっていたら、それがおそらくLANケーブルです。

一方、論理回線はわかりにくい。目に見えませんからね。これは、VLAN(Virtual LAN)という仕組みを使って、1本の物理回線でありながら、あたかも複数の通信回線があるかのように見せかけるものです。

セキュリティの強度から言えば、もちろん物理回線の分離に軍配が上がります。運用する立場から言っても、最も安心です。

そうなると校務系と学習系と2本の通信回線が必要になりますが、これは市が許してくれません。「二重投資はまかりならん」というわけです。その結果、学習系(インターネット接続可能)のLANが局所にとどまっていて、いろいろと不便を強いられているんですけどね。

幸いなことに、校長が「教育のICT化」を重点課題に掲げているので、それに便乗してVLAN導入を進言しようかな。本校のICT環境を劇的に改善するには、今の時点ではそれが最も現実的だと考えているのであります。