「管理人プロフィール」にも書いてあるとおり、管理人の前職はSE(システム・エンジニア)だったのですが、同じ会社から管理人に続いて2人の社員が教員に転職しています。管理人は情報科に所属していますが、その2人は工業科の教員になりました。3人とも教育実習を経験していませんが、SEから教員への転職って簡単なんでしょうか。

教育実習を経ることなく工業科教員になる方法は、わりと知られていますが、詳細は別途解説することにして、ここでは情報科というか、SEとかプログラマーといった情報系職能を活かして教員になる方法を考えてみたいと思います。

教科「情報」の開設と教員養成

「情報」という教科は、1999年(平成11年)に改訂された高等学校学習指導要領にもとづいて、2003年(平成15年)度から学年進行で始められました。

したがって、それ以前は「情報」の教員免許は存在しませんし、当然「情報」の免許を持った教員もいません。

そこで文部科学省は、2000年(平成12年)度から3年間、「工業」「商業」「家庭」等の免許を持つ現職教員を対象に認定講習会(90時間)を実施して、約9000名の教員に「情報」の免許を授与しました。情報教員の促成栽培です。

今のところ学校現場では、この時に養成された教員が中心となって、情報科の授業が行われています。

その後、大学等で「情報」の教職課程の設置が進み、通信制を含む多くの大学で「情報」免許が取得できるようになりました。管理人の勤務校でも、これまでに「情報」の教育実習生を数名受け入れた実績があります。

きわめて厳しい情報科教員の採用

免許は取得できるようになりましたが、問題は採用。非常に厳しいと言わざるを得ません。そもそも需要が少ないのです。

学習指導要領に定められた必履修科目は、「社会と情報」または「情報の科学」の2単位のみ。当然、普通科とりわけ進学校では、この最低限の2単位分しか科目を設けません。

2単位といえば、授業は週2時間。仮に1学年4クラスとすると、週8時間しかありませんからね。教員は1人で十分です。そういうことから、多くの学校では、他教科の免許を持つ正規教員が「情報」の教科代表として表向きの看板を背負いながら、実際の授業は非常勤講師主体で行っているという実態があります。

というわけで、需要が少ないから募集している自治体が少なく、採用数も少ないという、ないないづくし。

そこで、現実的には比較的倍率の低い数学とか理科とかの免許も取得して、他教科での採用を狙うケースが多いのです。