先日、早春の恒例行事・卒業式が行われ、150人あまりの卒業生が社会の各方面へと巣立っていきました。

さて、この「卒業式」ですが、現勤務校では「卒業証書授与式」と呼んでいます。というか、一般的にも「卒業証書授与式」としている学校が多いため、管理人もついこの間まで、「正式名称=卒業証書授与式、略称=卒業式」と思っていたのですが、思い立って調べてみたところ……見事に間違っていました。

そもそも、文部科学省で使われている呼称は「卒業式」で、学習指導要領に「卒業式」はあっても「卒業証書授与式」という記述はありません。

例えば、「高等学校学習指導要領解説 特別活動編」の「第3章 各活動・学校行事の目標と内容」「第3節 学校行事」「2 学校行事の内容」「(1)儀式的行事」には

「儀式的行事としては,入学式,卒業式,開校記念日における儀式,始業式,終業式などが考えられる。このほか,対面式や朝会など,学校行事として行われるものはここに含めることができる」

と書かれています。どうやら正式名称は「卒業式」ということになりそうですね。

では、「卒業証書授与式」は一体どういう経緯で登場したのか。話は明治時代にさかのぼります。

当時、小学校には上の級に進むための「進級試験」(筆記と口述)なるものがありました。「進級」は「卒業」と呼ばれていたことから、試験に合格して卒業(進級)する際に「卒業証書」を授与しており、これが「卒業証書授与式」のはしりだというものです。

歴史はさることながら、現代の感覚で二つの呼称を位置づけようとすると、卒業式のメイン(核心)が卒業証書授与式、つまり卒業式⊃卒業証書授与式という包含関係が成り立つというところでしょうか。

ちなみに、卒業式の時期というか日取りについては、管理人が探した限りでは学習指導要領や学校教育法施行規則に記述が見つかりませんでした。管理人在住の県では、高等学校の場合は3月1日に統一されており、全国的に見ても3月初旬というところが多いようです。