40歳目前で一般社会人(サラリーマン・SE)から教員に転職しました。教員免許を持たない男が教育実習も経験せず、高校教師になるまでの道のりです。

大学等の教職課程

大学・短期大学・大学院や文部科学大臣が指定する教員養成機関で教職課程を履修し、単位を修得して免許の授与を受けるという、最もメジャーな方法です。

どういう科目を何単位修得すればいいのか? これは「教育職員免許法 別表第一」に規定されています。ちなみに「別表第二」は養護教諭、「別表第二の二」は栄養教諭に必要な単位数。

高等学校教諭一種免許状の場合は、

  • 教科に関する科目…20単位
  • 教職に関する科目…23単位
  • 教科又は教職に関する科目…16単位
  • 教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目…8単位

の計67単位です。

■教科に関する科目

教科内容の背景となる専門的な知識及び技能を修得するために設けられている科目。平たく言えば、取得しようとする免許状の「教科に関する科目」です。地理歴史の免許状であれば、「人文地理学」「日本史概説」といった授業になります。

で、この科目ですが、教育職員免許法施行規則には「一般的包括的な内容を含むものでなければならない」と明示されています。

一般的包括的な内容? わかりにくいのですが、これは、その科目の内容が特定の領域に偏っておらず,学問領域をおおまかに網羅していることを指します。

たとえば「歴史」に関する科目で、1年間ずっと古文書を解読していくような授業は「一般的包括的な内容」とは言えません。古文書を読めたからといって、高校で日本史・世界史の授業ができるわけではありませんからね。縄文時代から現在に至るまでの歴史を、大まかに押さえておく必要があります。

また、一般的包括的な内容は各大学で設定が異なるため、ある科目の一般的包括的な内容について複数の大学の単位を合わせて満たすことはできません。A大学で国際法以外の法律学を修得し、B大学で国際法のみを修得して、併せて法律学を修得したことにはならないのです。

ちょっと、話が脇道にそれました。

■教職に関する科目

教職の専門性を身につけるための科目で、次のような内容です。

  • 教職の意義等に関する科目…2単位
  • 教育の基礎理論に関する科目…6単位
  • 教育課程及び指導法に関する科目…6単位
  • 生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目…4単位
  • 教育実習…3単位
  • 教職実践演習…2単位

出ました、教育実習。一般社会人が一から免許を取得しようとする場合、最大の障壁となるのが、この教育実習です

■教科又は教職に関する科目

最初に「教科に関する科目」、次に「教職に関する科目」、ここで「教科又は教職に関する科目」って、一体どういうことよ、と言いたくなります。このあたりがどうもすっきりとしていません。

基本的には、「教科に関する科目」と「教職に関する科目」の修得必要最低単位数を超えて修得した単位を、「教科又は教職に関する科目」としてカウントすることになります。

ただ、大学によっては「教科又は教職に関する科目」としていくつかの科目を開講する場合もありますし、逆に上述のように「教科又は教職に関する科目」を一切設定せず、「教科に関する科目」および「教職に関する科目」の超過分のみで充当する大学もあります。

ちなみに、法定最低修得単位数と大学が設定する必要単位数は異なる場合がありますので、要注意。

■教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目

これは、2000年度以降に大学に入学し、教職課程を履修する場合に課される科目で、

  • 日本国憲法:2単位
  • 体育:2単位
  • 外国語コミュニケーション:2単位
  • 情報機器の操作:2単位

の計8単位が設定されています。

以上のように、高等学校教諭一種免許状の場合は、計67単位が法定最低修得単位数になります。

参考:教育職員免許法教育職員免許法施行規則

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