教育課程に「総合的な学習の時間」という領域があります。学習指導要領が適用されるすべての学校で2000年(平成12年)から段階的に始められた制度で、児童・生徒が自発的に横断的・総合的な課題学習を行う時間とされています。
目標は次のとおり。
横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにする。
現勤務校では、2年生で1単位(週1時間)、3年生では「卒業研究」として2単位履修します。
2年生はHR単位で同一の内容。3年生は講座制で、生徒が自分の興味・関心に応じてテーマを設定し、それを学術分野ごとの10数講座に区分して、それぞれの講座に1名ずつ指導教員をつけて進めていく形です。
「総合的な学習の時間」で育成の目標に掲げられている「問題解決能力」は、社会のあらゆる場面で必要となるため、広い意味で「生きる力」を育むことにつながります。
したがって、「総合的な学習の時間」にしっかり取り組むことは大いに結構と、管理人も常日頃から思っているのですが、実際の現場は、そんなきれいごとだけでは済みません。
「総合的な学習の時間」には
- さまざまな教育活動で学んだことが総合的に生かされなければならない
- 主体的な活動が行われるよう学習者の興味・関心に応じた内容とする必要がある
- 教員には高度な技量が必要とされる
といった特徴というか要件があるため、取り組みの現場では
- 教員が多忙で準備時間が確保できない
- そのため生徒に対して綿密で十分な指導ができない
- 生徒自身の基礎知識が不十分である
- 教員の技量・姿勢の差による効果の幅が大き過ぎる
などの問題が顕在化しているのです。
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